先日サイバーエージェントの起業家支援プログラム「Startups2010」に登壇させていただきました。

Startups2010
「技術と若い力で日本をかっこよくするインターネットサービスを100コつくろう」という趣旨でソーシャルアプリや新しいITサービスのビジネスプランやエンジニアを募集して支援する、というイベントです。
Techcrunchにもレポート頂きました。
[jp]起業についてあなたが知っておくべき二、三の事柄
で、あまり喋れなかったし、改めて当時の設題にお答えしようと思います。質問は7問あり、それぞれにYesかNoかで答えておき、モデレータが質問をふっていく、というスタイルで進みました。最近マイブームのぶっちゃけトーク全開で行かせていただきます。
*アイデアの重要性
設問:起業するにあたって最初に何をするか(ビジネスプラン)は最も重要な問題であると思う?
Yes。僕はただ起業したいとか、社長になりたいとかではなくて、そもそもそれは以前やったし、「何をすることで、何を実現したいか」という「考え」が常に重要だと思っていて、今回の起業は「もっとソーシャルを研究し追求して、もっと面白いソーシャルゲームを作り、世界中の人をつなげたい、グローバルなコミュニケーションを楽しんでもらいたい」と思いました。もちろんそれが実現可能か、矛盾してないかはよく考えた上で。
他のスピーカー方々の回答には、Noというのもありました。まあ全く何も無いわけではないでしょうけど、「良い仲間ができたから、ともかく起業したい!」というのもアリで、その決意の後に「何を自分たちでできるか?」と皆で考えるのも全然面白いと思います。
設問:起業した時と現在の事業内容は同じである?
Yes。これは特に僕は「一貫し続けたい」、という性格でもありますが、あそこが流行ってるから乗っかる、というぐらいなら分社独立すべき、というぐらい強く思ってます。ミーハーだと思われたくないんですね。ところで片手間でソーシャルアプリ事業を始めているSAPが日本には多いですが、彼らはソーシャルアプリを信じて全力で取り組んでいないのでは?つまり分かっていないのでは?? ![]()
とはいえ臨機応変も大事だとは重々承知ではあるけれど。
実はIstpika創業時は海外向けにWiiのゲームも開発してたけど、途中でやめて、ソーシャルに集中しました。ここ数年で学んだことに「選択と集中、やめる勇気が大事」というのもあります。ずるずる続けるのが本当に危険です。
*一緒に起業する仲間
設問:2名以上の複数の仲間と起業した?
Yes。前回12年前に起業したときは1人で会社を設立しましたが、今回は出資者としては最初から、業界の重鎮であるブレークスルーパートナーズの赤羽さん・森廣さんに共同で入っていただきました。コネクションとしても経営方面でもぐいぐい引っ張って行ってくださる、という確信があったからです。もうこれは日本のソーシャル黎明期において最強のタッグだったと思います。また分社独立だったので、前の会社から精鋭を何名か道連れにしました。
他のスピーカーの話では、ポケラボの共同代表が、mixiで知り合った、というのは爆笑でした。
*経験、起業能力の重要性
設問:起業する前に、新規事業立上げの経験やマネジメントの経験をした?
Yes。これも前社を立ち上げ成長させた経験があったので、ビジョン・経営方針、マネジメント・組織作リ、チーム作り、それから採用戦略については自信がちょっとありました。あと銀行ともうまくいってたので会社変わっても取引できるな、という予感もあって、まあ何とかなるかな、と。
他のスピーカーの方々はほとんど経験は無かったようですが、実際は無くても良い勉強ができれば良いと思います。それは良い本で勉強すること、良い先輩やメンターに出逢ってアドバイスを請うことです。もし退職して設立するなら、前の会社の社長にお世話になるのも。必ず心配していて、親身になって相談に乗ってくれるはず。
*資金
設問:初期資金は潤沢であった?
Yes。今回は、自己資金がチーム6か月分あったのでそれでしばらく運営。
なので6ヶ月で成功しなければ即解散するよ、とみんなに言い聞かせてスタートしました。しかし現実は6ヶ月目はなんかちょっと名声がついただけで成功でも何も無く、なかなか辛い時期もありました。
銀行などから数百万円も「無職の若者が」調達するのは一般的には難しいと考えられがちですが、公庫には新規開業ローンというのがあって、1000万円ぐらいなら意外と簡単に審査が降りる、ということです。前回も利用しました。しかし疑問があるでしょう。国が起業前の若者にお金を貸して、国はちゃんと回収できてるのか。捨ててるようなものなんじゃないか?それを昔からお世話になっている顧問税理士先生に質問したところ、
「福島さんぐらいの起業精神があってエンジニアできる方なら、たとえ起業した会社がつぶれてもそのあと良い企業に入社して、すぐに返済できる、と思ってるのですよ。そのくらいの人物かどうかを見てるのです」と。なるほど・・。ん?こんな弱小ベンチャー社長やってるよりどこかに就職したほうがはるかに給料、そう言えば良いよなw
で、今回も安心して公庫や銀行から借りましたwww
それでFacebookアプリなどを作ってましたが業界の進歩が早く、自分たちのアプリがみるみる陳腐化していきリリースに耐えない、作り直し、と行ったことがまだ続き、さらに資金が不足してきたので・・、
設問:ベンチャーキャピタル等の外部からの資金調達を経験している?
Yes。VCに入ってもらい、余裕もでき、人も増やすことができるように。
何より良いVCに入ってもらうことで的確なアドバイスがもらえ、より経営や事業戦略がシャープになる。
また「口うるさい」とか敬遠されるVCのイメージがありますが、厳しい要求を突きつけてくれるからこそ、より自分たちも必死で戦える。それも期待して受け入れました。結果大成功、な気がしてます。
しかし彼らは株主でもあり、非常に権限を持っています。シェアが少なくても、です。受け入れ時からそこを非常に覚悟して税理士先生とかなり相談して方針を決めました。そこで編み出した付き合い方のコツは・・・。
彼らは共同経営者・取締役になってもらったり仲間、先生、友人、という顔をして親身に近寄って来ますが、「彼らVCは上流・下流の取引先と同じような、ステークスホルダーだ」と意識することです。さらに会社の状況はすべて開示した上で、取引先と契約の交渉をするようなものです。そこで僕はゲーム理論が生きてくるな、と思いました(理由:VCは論理的で賢い相手だからです)。相手の条件もわかっている上で、こちらがどんな条件(事業計画、やりたいこと)を出せば、相手はどう出るか。それによってどんな選択がされるか。駆け引きです。ゲーム理論が適切に用いられれば、もっとも起業の将来にとって可能性のある選択、Win-Winで合意できる、というわけです。
もしVCとうまく行ってない、という方がいらしたら、それはVCが自社に出資することで結局は何を求めているか、が分かっていないのではないでしょうか。そこを認識して尊重する必要があります。それかどちらかが論理思考を持ってないか。
最後に
設問:起業して良かったと思う?
もちろんYes。改めて、ベンチャーというスタイルで立ち上げ、選んだ業界も性格に合っていたのか、会社の成長が非常に早くそれに伴い自分もとても成長していると感じます。成長は楽しい、それに尽きます。経営上は波がありまだまだ困難は続きそうですが、成長を実感しています。
起業とはファミコンのリセットボタンみたいなものかもしれません。前回の反省を心しながらすぐに再スタートできます。対して退職して時間をおいてしばらく休む、というのは電源オフみたいなものかな。
#最後に、お誘いくださったサイバーエージェントの皆様、ありがとうございました。
了
また先日、ゲーム業界の祭典、CEDEC2010でも似たようなテーマで講演しました。これについてもまた今度。
ゲーム業界からソーシャルゲーム業界への転身








